こちらは「媚薬」の続きでございます。
拙い表現ながらも明らかな性的描写が含まれますので、嫌悪感がある方は
コチラ から戻ってくださいね。大丈夫な方だけお進みください。





媚薬2








まだまだ深夜とも言える時間帯。
森の中の闇は他より深い。


薬品によって無理矢理上げられた熱は、思考を舐めるように溶かして行く。
息を上手く吸い込めないナルトの唇を、己のそれで塞いでシカマルは息を飲み込ませた。
過呼吸を起こしていたらしく、シカマルの呼吸によって少しずつ息が整えられるようになった。
「すみませ・・・」
「これに懲りたらもうあんな真似はするなよ・・・?」
はい、と蒼を潤ませて小さく返事をする様は、まるで叱られた子犬のようで笑ってしまった。
まあ、ナルトの行為によって思わぬ獲物が手に入ったのだから礼を言わねばならないなとも
思って再度笑ってしまった。
獲物とは目の前の金髪だけれども。
自分に気を病ませないために、助けた恩を返せなどと、きっとこの先一生この金髪から
聞くことはないだろう言葉をもらってシカマルは上機嫌だ。
ナルトからこうしろああしろと言われたことがこれまでなかったから。

汗ばんだ首筋を手のひらで撫で上げて、そのまま頭の後ろを固定して口付けると、
かろうじて焦点をシカマルに合わせゆっくりと目を閉じた。
小さな舌を捕らえ口内を存分に蹂躙し、息まで貪られて苦しいと胸を叩かれるまで夢中で口付けた。
どこもかしこも小さくて折れそうで、それでも触ってくれと身を差し出したのはナルトの方だ。
「んっ・・・んん」
漏れる声さえ飲み込んで、このまま食べ尽くしてしまえたらどれほどの満足が得られるだろうか?
シャツの隙間から空いた手を差し込んで触れた素肌は、自分に触られるためにあるのかと
思わせるほどに手に馴染んだ。
脇腹から背にかけて滑らせると媚薬の力も加わってか、びくりとからだを震わせた。
その様子に気を良くしてナルトの感じる箇所を探し出して行く。

「ひ、ゃっ・・」
後ろから抱きすくめ、肩甲骨に沿って舌を這わすと小さな嬌声と共に震えるからだ。
「こら、逃げんな」
意思とは別に逃げようとするからだを引き寄せ、そのままズボンのジッパーに手をかけ中心を
やんわりと擦りあげると、あがる声。
「ふ、あ、あ・・・」
「ナル・・・」
感じたことのない快感に生理的な涙が頬を伝う。
次第に増す水音に気付いたナルトが、首まで紅に染め上げてイヤだと首を振った。
立てられた膝が震えているのは、寒いからでも怖いからでもなく快楽からくるものだと
シカマルだけが気付いていた。
持て余す熱と悦楽に身を捩るナルトのからだを動けないように拘束してしまえば、
今まで感じたことのない征服欲が満たされた。
自分がこれほどまでに何かに貪欲になれるとは思いもしなかったのに、目の前の金髪だけは特別。
「ひぁ・・・!!」
先端に軽く爪を立てれば、一際高い声をあげて絶頂を迎えたナルトは、何が起きたのか
わからないのか泣き腫らしながらも視線だけでシカマルに説明を求める。
「保健で習っただろ?」
「んぁっ・・・」
肩で息をするナルトを更に引き寄せ、耳の輪郭を辿るように舌を這わせる。
紅く色づいて行く肌に、邪な満足感が満たされた。
吐き出された欲で濡れた手のひらを見せ付けるように舐めてやれば、涙で縁取られた睫毛が震えた。
「気持ち良かったろ?」
観察するように目を細めれば、定まらない視線を泳がせて小さくわからない、と唇が動いた。
その姿に小さく笑って、俯く金髪の顎を掬いあげて隙間なく塞ぐと甘くさえ聞こえる吐息が
耳元をくすぐった。
「・・・わからないなら、わかるまで何度でもやってやる」
不安に揺れる蒼に優しく口付けて、しかし言葉は辛辣にナルトを追い詰める。
「シ、ぁ・・・」
再び指を這わせられて、その動きに合わせてからだが揺らぐ。
顔に熱が溜まり、断続的に続く悦楽の波に目尻に溜まった涙が頬を流れて行く。
一度絶頂を迎え入れたからだは、次に来る波も早く、投げ出された足ががくがくと震えた。
苦しいとも思える快楽。
自分の思い通りにならないからだに不安が募る。
自分を覆うのは愛する者であると言うのに、上手く力の入らないからだに恐怖心が生まれる。
「ぃや、だ・・っ・・あ・・」
快楽からなのか恐怖からなのかわからない、歯の根が合わずに涙が止まらない。
「ひっ・・・」
「大丈夫だから」
悲鳴にも聞こえる詰めた声に、普段は使わない優しい声色であやす。
大きく開いたシャツをそのままずり下げられ、いつの間にかボタンはすっかり外されていて
外気に触れた肌が気温差に粟立った。
ナルトの放ったものを最奥に塗りつけ馴染ませるように撫でて行くとびくびくとからだが揺れた。
未知の域である経験に恐怖感が募る。
「・・っ・・!!」
シカマルの腕に爪を立ててしまい、痛みに歪んだシカマルの表情に驚いて涙が止まった。
「あ、あ・・ごめ、なさ・・」
「あー・・たいしたことねぇよ」
舐めときゃ治る、と青ざめたナルトを落ち着かせるように笑うが細く流れた血にナルトの指先が震えた。
混乱しているのかきょろきょろと視線は彷徨い、しかし思いついたようにシカマルの腕を取ると、
流れる血にそっと唇を這わせた。
上気した頬でとろりと下がった蒼で、自分の流す血を小さな舌で必死に舐め取る姿は淫猥で
突き上がるような情欲が腹の奥からこみ上げた。
情動のままに自分の腕に縋りつくように舌を這わせていたナルトを引き剥がしシーツに縫いとめる。
その行動に、傷つけてしまったことに対して怒ったのかと思ってナルトが震える唇で
必死で謝罪の言葉を連ねるが、フィルターがかかったようにぼんやりとしか聞こえない。
泣き顔も可愛いと、口端が吊りあがる。
「シ・・シカ、シカぁ、ごめんなさ・・・ん」
狭い口内を舐め上げられ、息さえ絡め取られて再び蒼が涙で滲む。
割り開かれた足の間にからだを引き寄せ、支えている方ではない腕を秘部へと這わす。
「んっ・・!?」
ナルトの放ったものを潤滑剤代わりに指を一本差し入れると、異物感にナルトの表情が歪む。
何度か出し入れて、しばらくすると慣れてきたのか僅かに表情の緩んだのを確認すると
二本に増やす。
媚薬が効いているのか痛みはないようで、ただ慣れない感覚を持て余して涙を滲ます。
その行為がシカマルの情動に拍車をかけていることに本人が気付くわけもなく。
浮いた鎖骨を舐め上げて、軽く歯を立てられて高くあげられた嬌声に気分が高揚する。
そろそろ良いかと指を引き抜く際に軽く指を折り曲げれば、きゃあ、と女のような声があがった。
「い、嫌・・そこ、触んない、で・・!」
「そこって・・ここか・・・?」
びくりと震えた腰を掴んで同じところを擦り上げると悲鳴にも似た艶めいた声が下半身に響いた。
それに気を良くして同じところを何度も責めては泣き出したナルトの涙を舐め取る。
「っ・・あ・・・」
嫌だと繰り返していたのに、抜くと物足りなさそうに漏れた声にナルトの肌が紅く染まった。
「もっと良いもんやるから」
既に起ち上がっていた自身を秘部にあてがい、力を抜くようにと髪を梳き、一気に貫いた。
「っ・・ひ、あぁあああっ」
指とは比べようもない質量に、痛みと疼くような快楽が入り混じって視界が一瞬白く霞んだ。
「はぁっ・・・ナ、ル・・・」
狭い入り口にシカマルも若干の痛みを伴ったが、快楽の方が勝る。
「ひっぃ・・あっあっあっ」
最奥を貫かれてはあがる声が部屋に響く。
自分の手によって善がる音はシカマルの理性を綺麗に溶かして。
「可愛い、な・・ナル」
「シ・・ぁあ・・!」
打ち付けられる衝動に思わず腰が逃げそうになるが、シカマルによって押さえつけられ叶わなかった。
「ナル、ナル・・・俺のだ・・誰にも」
熱に浮かされたように繰り返すシカマルの言葉に、満たされる。
誰にも言われたことのない言葉。
自分などを欲しいと言ってくれるシカマルが愛しくて嬉しくて涙で歪むが瞬いて視界をクリアにして見つめる。
どこかうっとりとした、恍惚とした夜色の目に全てを奪われても良いと思った。
いつの間にか自身にシカマルの手が添えられ、擦り上げられてびくりとからだが跳ねた。
既に上向いていた自身はもう限界が近付いていて。
「ひあ・・!!」

渡すものか、と霞んだ意識の中でシカマルの声を聞いた。








目が覚めた頃には昇った陽が既に沈んでおり、空は夕闇に染まって今にも黒に染まりそうだった。
「・・っ・・ふぇ・・」
夜の任務があったのだと慌てて起き上がろうとして、叶わなかった。
(腰が・・・)
顔を真っ赤にしてベッドに沈んだナルトは力の入らぬからだに羞恥を煽られた。
(た、立てない・・・?)
嘘だ、と涙が滲むが昨夜のことを思い出して紅く染めた頬を隠すように枕に沈む。
そうだ、昨日自分は・・・。


「ナル」
「ひぁあぅっ」
突然呼ばれた声に驚いて悲鳴を上げたが、声をかけた方が逆に驚いて
持っていたカップを取り落としそうになった。
「変な声出すなよ・・」
お前の分、と差し出されたカップを寝た格好のまま受け取り、すみませんと頭を垂れた。
シカマルは絶対に飲まないだろう甘いめのココア。
自分のために用意されたと言うことが嬉しい。
「悪かったな」
「え・・?」
バツの悪そうなシカマルの態度にきょとんと首を傾げる。
「や、無理させちまって・・・」
座ることもできないナルトに、苦く笑う。
「い、え・・・」
夜の任務は休みだと式を送った、とナルトの前髪を梳きながら報告するシカマルにありがとうと笑う。
正直今日は任務など無理だ。
「・・・次はも少し優しくするから」
「え?つぎ・・・?」
一瞬意味を飲み込めなくて、しかしやっぱりもう嫌か?と悲しげにされて慌てて否定する。
「いや、あのっ・・・・・よ、ろしくおねがいします・・・」
「・・くっ・・・」
真っ赤になって丁寧に頭を下げるナルトに耐え切れずシカマルが腹を押さえながら笑い出した。
ひとしきり笑って、さすがにナルトの眉間に皺が寄ってきたのを見て悪い、と謝った。
「お前、可愛いすぎ」
「可愛くなどありません」
ぷうと頬を膨らまし視線を逸らすお前のどこが可愛くないんだ?と、それは言葉にせず苦笑して。

「次もよろしくおねがいします」

ナル、と甘い声で呼んだ。






















モドル